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2005年7月22日 (金)

人民元切上げ&ロンドン同時テロⅡ 05/07/22


昨晩はニュース速報が立て続けに流れて、なにやら慌しい夜でしたね。
 最初に流れて来たのは中国が人民元2%切り上げ、固定相場制を廃止したという速報でした。
米国を初めとする外国からの圧力で、いずれは行われると推測されていましたが、この時期に突然(こう言う経済的にデリケートな内容のものは突然の発表というのが普通なのだそうですが)の発表で正直驚きました。
 外圧には屈しないとの姿勢を示していましたが、米国議会で制裁を含めた対抗措置を求める法案が多数出されている事と、胡錦濤国家主席の訪米前に圧力を減じておきたいとか、異様な量の外貨準備高の悪影響を回避するためとか、不動産バブルに拍車が掛かるのを食い止めるためなど様々な要因を勘案して決定しただと言われております。

 ※米国議会や国家主席の訪米の件はともかく、後半の二つはどのような関係があるのか正直、勉強不足で良く分かりません。

 しかし、切り上げ率が2%に抑えられていることから、国内経済に対する影響を最小限に抑えて様子を見ようとの思惑があるのでしょうね。
 この程度の切り上げで米議会も納得するはずがありませんので(中には30%の切り上げを求めている議員も居るようで)様子を見つつも順次切り上げ率を上げてゆく心積もりなのでしょう。
 経済発展に乗じて多くの日本企業が生産拠点を中国に移しておりますが、人民元切り上げは中国国内からの輸出に不利に作用することは明らかです。
 今回は2%ですが、今後更に切上げ幅が増加することが予測されますので、生産拠点を東南アジアなどへシフトすることを考え始める企業も出てくるのではないでしょうか。

 まあ永遠に続く好景気は有り得ない訳ですし、日本のバブル以上のフィーバー振りですので、進出企業には、中国経済に首までどっぷり浸からないで、フットワークを軽く整えておく経営戦略が必須と言う事でしょうね。

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 ロンドンの爆破テロ、また起こってしまいましたね。
今回も地下鉄で3箇所、路線バスで1箇所、前回のケースをなぞったような犯行でした。
 またアルカイダの関与かと言われているようですが、今回のはどうでしょうかね。
犯人像とその目的についてちょっと検証して見ましょう。

1.前述のようにロンドンの地下鉄とバスに対する攻撃ということから、嫌でも前回の爆破テロとの関連を考えさせられる。
2.前回は自爆テロであったが、今回は違うらしい。
3.爆発の規模は前回と比べ、ずっと小規模で起爆装置だけを使ったものや不発のものもあったらしい。
4.前回は交通機関が非常に混雑する通勤通学の時間帯を狙ったものであったが、今回は比較的空いている昼過ぎに行われている。
5.前回に比べ被害者が極端に少ない。

「治安当局の努力をあざ笑うような、大胆で悪質な挑戦」とか「英政府および治安当局に対する重大な挑戦」更に「今回のテロは失敗だったようだ」といったロンドン警視庁のコメントが出されていますが、4箇所も同時に攻撃を仕掛けながら「起爆装置だけの発火でした、不発でした、被害者は怪我人一名でした。でも僕たち実行犯は超過激で危険なアルカイダのメンバーで~す!」
これではあまりにお間抜けすぎませんか。
上記1~5を検討すると、事態の派手さはあるものの、どうも犯人たちは可能な限り人的被害を出さないように配慮?しているように思えてなりません。
 よって、前回のような多数のロンドン市民を殺傷する目的で行われたテロとは考えにくいのです。
それでは、誰が何の目的で行ったのかですが、まずは例によって一回目のテロ以降、昨日の事件に至るまでのイギリス国内の流れをざっと追って見ましょう。

13日:
「首相は過激なイデオロギーの提唱者など公益に反する人物に対する入国禁止や国外追放を従来よりも容易に実施できるようにしたいと表明した」(2005年7月15日  読売新聞)
18日:
新、反テロ法案について野党との基本合意が得られた。
19日:
英政府とイスラム指導者らとの協議に対して「イスラム教徒を過激派と穏健派に分断し、弱体化させようとする英政権の態度は容認できない」(2005年7月20日  読売新聞)とイスラム過激思想団体の代表が表明。
20日:
「容認できない行動を取った人物をデータベース化し……国外退去に繋がる対応を受ける場合がある」(クラーク内相)
21日:
2度目のロンドン爆破テロ発生

 これを見ると7日の事件後の記事でも述べたように、イギリス国内のイスラム過激思想団体とその指導者たちが徐々に追い詰められている状況が見て取れます。
 そこで、犯人像としては、イギリス国内で危機感を募らせたイスラム過激思想団体の人間、もしくはそれらの団体に共感するイギリス国籍のイスラム教徒が最有力なのではないでしょうか。
 よって、昨日の事件は「前回と同程度のテロはいつでも出来るんだぞ、でも今回はこの程度で勘弁してやったんだからな、これ以上俺たちを追い詰めると大変なことになるぞ」という犯人からのメッセージではないかと考えられますが、いかがでしょうか。
 今後イギリス政府は、イスラム教徒やイスラム過激思想団体相手に綱渡り的な舵取りが求められるのでしょうね。

 余談ですが、事件のあった駅の名前の一つに「ブッシュ」が含まれていたので偶然か、犯人のシャレかと思っていたのですが、某民放TVでは更にオーバル駅は米大統領の執務室「オーバル・オフィス」を表し、ウォーレン・ストリート駅の「ウォーレン」は臆病者を表すスラングではないかと指摘していました。
 ちょっと出来すぎのような気がしますが、犯人が捕まったら聞いてみたいものですね。

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