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2005年7月27日 (水)

孤立する日本・6カ国協議に思う 05/07/27

 26日の6カ国協議開会式で、核、ミサイル、拉致の包括的な解決とを訴えた日本政府代表団でありましたが、中韓ロ3カ国がこれに反対の姿勢を見せ、当の北朝鮮は日本との二国間協議には応じておりません。
 まあ、今回の6カ国協議では、北朝鮮以外の国にとって核以外を話し合おうとする日本の姿勢は、迷惑以外の何者でもないというのが実感でしょう。
 中国、ロシア、それに米国にしても直接自国民が拉致されたわけではないし、反日教育の浸透している中韓にしてみれば、日本人が100人、200人拉致されたところで「いい気味だ」ぐらいにしか思わないというのが実情で、とても日本に協力しようという気が起こらないでしよう。第一、拉致問題が解決したところで何のメリットも自国にもたらさないですしね。
 特に韓国は、朝鮮戦争中や80年代に少なからぬ自国民が北朝鮮に拉致されているにも関わらず「太陽政策」を掲げっぱなしにしている状況ですから、協力など望むべくもありません。
 協力の可能性が有るのは、参加国の中で日本の主張に異を唱えなかった唯一の国、米国ということになるのでしょうが、これにしても、現時点で積極的な協力は臨むべくもないのが実情です。米国は人権問題に敏感な国柄で、今年5月の下院議会で「日本人・韓国人拉致非難決議案」が提出されており、外務省ももっと活発にアピールすることは有効であると思うのですが、町村さんあたりが乗り込んで議会で演説するぐらいの事をしても良いのではないかと思いますね。
 だいたいこの問題の存在を知っている米国市民はごく少数に過ぎないのが現状ですから、米政府としても、同情の姿勢を見せる以外の動きは取らないでしようね。

 いずれにしても、近隣諸国のスタンスは「拉致の問題は日朝二国間で解決してください」と言う事で一致しています。
 さて、こうなってくると日本に残るカードは限られてきます。
まず「対話と圧力で粘り強く」という対応はどう見ても限界に来ています。なにしろ当の北朝鮮が対話する気が無いのですから。
 圧力にしても、日本が手にしている有効な圧力カードである「経済制裁」も、時間が経てば経つほど空札になりつつあります。なぜなら、日本が経済制裁を発動する可能性があるのを北朝鮮が座視しているはずも無く、中ロ韓の首脳を平壌に招いて関係を強固なものにしようとしており、経済制裁が発動されてもその被害を最小限に止められるよう動いております。現に韓国などは不足する電力の供給まで申し出ている状況です。
 結論から言えば、経済制裁を発動するなら今を於いて無い、と言う事でしよう。空札になってからカードを切っても「圧力」足り得ないのですから。

 さて、経済制裁に踏み切る場合その目的ですが「核、ミサイル、拉致」の包括的な解決のためということでなくてはなりません。つまり日本の「国防」問題に対処するための発動ということです。

 経済制裁発動に対する反対論として必ず上げられるのは「効果が無い」というものですが、対朝貿易0.1%の日本経済に対してはさしたる効果は出ないという点では確かに正しいでしょうが、全貿易額の2割に達する対日貿易が完全にストップする北朝鮮にとっては効果が無いと言ったら嘘になります。まあ、経済的体力がある国であれば耐え凌ぐことも可能でしょうが、経済ガタガタの北朝鮮にとってはかなり痛いでしようね。

 また、日本単独の経済制裁では抜け道だらけで効果が得られない、とする意見もありますが、逆にだからこそ今すぐの発動が必要ということでしょう。各国の協力が得られないと分かった時点で直ぐに発動しなくては、北朝鮮に対抗策を準備する時間を与える結果になってしまいます。それに、今まで舐め切られていた日本も今回は本気だぞと北朝鮮も含め、各国がはっきりと認識するという点ではこれ以上無い強力なメッセージになることでしよう。

 次に「制裁を加えた段階で拉致被害者たちが殺されてしまったらどうするのか」についてですが、北朝鮮にとって拉致被害者の方々は、日本からの経済制裁を解除させるための最後の切り札になるわけですから、あれだけ外交駆け引きの点で奸智に長けた北朝鮮が自ら切り札を捨て去るとは到底考えられないのです。本当に殺してしまっては、日本側が飽く迄拉致被害者たちの生還を求めている以上、経済制裁が無期限に長引くこともありえるわけですので、そのような選択は北朝鮮としてはしたくないでしょう。

 「人道支援も凍結するのか」との問題も提起されるでしょうね。でも、そもそも支援物資が本当に必要とされている人に渡っているのならば餓死する人がゴロゴロ出る現在の状況にはなっていないはずです。民放TVの報道番組でも流れたように、日本や韓国からの人道支援米が闇市に流れている現状から、ほとんど全てが軍や、金持ち、政府の幹部たちの懐を肥やす手伝いにこそ為れ、本当に必要としている貧しい市民の口には入って行かないのが現実でしょう。
 この状況から「人道支援凍結」したところで、すでに飢えに苦しんでいる市民への影響は皆無と言っても良いのではないでしょうか。
痛みを感じるのは、軍と金持ちと政府幹部たちだけでしょう。

 さらに、「そんなことして本当に核ミサイルが飛んできたら取り返しが付かないじゃないか」という意見も有ります。
たしかに「経済制裁は宣戦布告とみなす」だの「東京を火の海にしてやる」だの物騒なことを言っておりますが、日本単独の経済制裁のみで国家体制が転覆する程の効果があるならまだしも、制裁に反対する人たちが述べているように各国の連携が無ければ効果か少なかったり、抜け道がいくらでも作れる状況ではとうてい金正日体制を崩壊させるまでの力は無いので、核ミサイルを飛ばすような事態には至らないと考えられます(まあ、それでもかなりの痛みは感じるでしょうがね)。
 何故なら、核は所有していることで圧力になるからです。一旦使ってしまえば圧力のタガかはずれた最後の力の行使になるからです。崩壊寸前の破れかぶれの状況ならいざ知らず、日米同盟を結んでいる日本を核攻撃することはどのような結果をもたらすか、日本単独の経済制裁の比ではないことぐらい、北朝鮮も重々承知していることです。
 よって、制裁即核弾頭の飛来といった事態は有り得ないでしょう。ただし、ガンガン恫喝はしてくるでしょうね。「東京に照準を合わせたミサイルに燃料を注入した」とか、実際に核弾頭なしのミサイルを東京湾に着弾させ「残念、不発だった、次は爆発させるぞ」ぐらいの事は遣ってくるかもしれません。その時こそお得意の「冷静に、粘り強く」対処する必要があるのでしょう。
 間違えてもパニックを起して右往左往する見っとも無いまねだけはしたくないものです(お願いしますよ、そこのマスコミや議員の皆さん)。

 さて、経済制裁を発動するとして、つぎに問題になるのはどのようなレベルで行うかです。具体的には昨年12月自民党拉致対策本部の経済制裁シミュレーションチームが作製した下記五段階のうちのどのレベルで行うかと言う事になるのでしょう。

    1.人道支援の凍結延期
    2.送金などの報告義務と輸出届出義務の厳格化
    3.特定品目の貿易禁止、特定の送金の禁止
    4.特定船舶の入稿禁止、貿易などの全面禁止
    5.船舶の全面入港禁止

 私は最初から最高レベルの5(1~4を含む)から行うべきだと考えております。
何故なら、1から始めて効果が出ない事を確認しながら徐々にレベルを上げてゆく戦術では、北朝鮮に各個撃破されてしまう可能性が高いからです。
 つまり一つずつ制裁して行った場合、北朝鮮はその時々で一つずつ対応してゆけば良いことになり さらに日本側の次の手も見えてきます。
 よって北朝鮮にとって非常に対処しやすい有り難~い制裁の仕方になってしまうと言えます。
 それに対して五段階全てを一遍に発動された場合、同時に全てに対応せねばならず、対処しきれないものは即制裁効果が上がり始めるわけです。
 その上で、北朝鮮側が譲歩してきたならば、それに応じて制裁のレベルを下げてゆけば良いわけで、効果が無い場合にレベルを引き上げる遣り方に比べ、実行しやすい点も指摘できます。

 ただし、一番肝心なのは経済制裁は過去の例を見れば明らかなように、半年や一年では効果が見えてこないということです。5年、いや場合によっては10年以上かかる性質のものであることを国民は覚悟しなくてはいけません。
 おそらく、半年、1年経ってから一部マスコミや野党などから「効果が無いから止めろ」キャンペーンが盛り上がり始めることでしょう。さらに中韓ロなどが圧力を懸けてくるでしょう。
その場合も、泰然と構えて行きましょう。
 なーに、北朝鮮との貿易が止まり続けても日本は痛くも痒くもありません。粘り強く対話と圧力を掛け続けましょう。
理想的には、日本国民が経済制裁を掛けているのを忘れてしまうぐらいが丁度良いのかもしれません。
北朝鮮が泣きついてきたら「制裁解除してくれって、何の話だっけ、拉致被害者返すって?、ああ、そういえばお宅に経済制裁掛けっぱなしだったっけね、まあ良いんじゃないの」って鷹揚な態度でね。
 でも、心の中では拉致被害者の安否を気遣いつつね。

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