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2005年10月25日 (火)

プリオン専門調査会答申原案に思う 05/10/25

 昨日、内閣府食品安全委員会のプリオン専門調査会は、生後20ヶ月以下の米国、カナダ産牛肉の輸入再開を容認する答申原案を提示し、来月末の会合で答申案を取りまとめる運びとなった。

 答申案が提示されることにより、年内の輸入再開に向け大きく動き出すようだ。
 輸入再開は危険部位の除去などのBSE対策が、米国できちんと実施されていることが大前提としているが、これが実に心もとない状況だ。
 12日の記事にも記したが、04年1月~05年5月までの17ヶ月の間に1036件の危険部位除去手続きの違反があったことを米農務省が発表している。発覚しただけで1000件を超える違反、罰則規定も無い状態で是正措置の継続的な監視も行われているのかも不明だ。
 調査会は、人へのBSE感染リスクを科学的に評価するのが目的であるため、安全対策の確認などは政府に委ねられている。
それだけに政府が今後どのような対応を取るか責任は重い。
 また、答申に時間がかかりすぎている等の批評があるが、食の安全に対する調査会の慎重な姿勢は今後も貫いてほしいと思う。

    ****************

 さて、今日の読売新聞の社説で、この米国産牛肉の輸入再開について取り上げていたが、正直酷い内容だと感じた。

 輸入再開までに、あまりに時間がかかり過ぎているのではないか。
この間に日米関係は、米軍基地の移転問題などに牛肉問題も加わり、良好な関係が失われつつある、との見方もあるほどだ。

つまり、国民の健康よりも日米関係を重視せよと言うことだろうか。

 米国側が約束を守るかどうかは農水省などが厳しく点検すべきことだ。

実際問題どうやれると言うのだろう?
農水省が米国に乗り込んで検査現場で厳しく目を光らせるのだろうか、それとも輸入された牛肉を厳しく全頭検査するのだろうか。

 専門家の議論も大切だが、重要な政策課題には政治の出番が必要だ。「政治が前面に出て対応すれば、これほどの時間はかからなかった」との指摘を、重く受け止めるべきだ。

 これは、本末転倒ではないか。
国民の健康や食の安全に関する調査は、政治や利益団体の思惑を超えて純粋に科学的に行われるべきものだ。正しい調査結果が出るまで、内外の圧力の防波堤になるのが政治の役割ではないか。
「政治が前面に出て対応すれば、これほどの時間はかからなかった」との指摘も誤りだ。
「政治的要素に苦慮せずに、純粋に科学的側面からだけで調査出来れば、これほどの時間はかからなかった」と言うのが事実に近いのではないだろうか。
 また全頭検査の実施についても否定的に扱っているが、この問題も「食の安全を確保するため」に始められたはずのものが、「牛肉に対する国民の不安を取り除くために」政治が前面に出て対応した結果制度化されたらしいことが分かってきている。
 結局、政治が前面に出て対応したためにどの制度が本当の意味での食の安全を確保するためので、どの制度が政治的配慮に基くものなのか訳の分からない状況となってしまった。
 正直、これ以上科学的であるべき調査結果に政治が口を挟んで掻き回さないでほしいというのが実感だ。

 政府は答申結果を踏まえて、何より国民の健康を第一に行動してほしいと願うばかりである。

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2005年10月22日 (土)

法的根拠が無い議員年金制度に思う 05/10/22

 19日、政府は国会議員年金を今年度で廃止する方針を決定した。

 この件につき与党内部から反論が噴出している。
衆議院議長は「議員年金改革は立法府が主導すべき問題だ」とのたまっているが、「立法府が動かんから、行政府が後ろからどついとるんやないかい」と突っ込みを入れたくなる発言だ。
 さらに元外相の「(国民年金だけになると)老後に備えてサイドビジネスに励む議員の姿が目に浮かぶ。どんなものか」と言った発言に対しては「国民年金だけで慎ましく生活していらっしゃる国民が何百万人も居りますが、何か?」と切り返すべきでしょう。
 その他にも何だかんだと尤もらしい理由を付けて存続を主張している方々も、結局自分達だけは国民年金だけのつましい生活ではなく、豊かな老後を送りたい。
ぶっちゃけたはなし「国民年金だけの生活では不安でやってられん」と言う本音が露呈しています。
 だったら、議員も国民も国民年金だけで安心して老後を送れるしっかりとした制度を築き上げるのが国会議員の仕事でしょうが。
国民だけに痛みを押し付け自分達だけの豊かな老後を確保するために、狂奔するなんざ本末転倒と言うものでしょう。

 まあ、受給額を減らせだの、段階的に廃止しろだのいろいろ賑やかに言ってますが、「議員年金制度」には、そもそも法的根拠が無いように見えるのは私だけでしょうか?
 昭和33年に出来たこの制度、国会法第36条に基づき「国会議員互助年金制度」として国会議員の退職金代わりに導入されたものです。
 で、いつも私が引っ掛かっているのは、国会法第36条の条文です。

国会法第36条
  「議員は、別に定めるところにより、
退職金を受けることができる」

わかります?
この条文のどこをどう探して見ても年金の「ね」の字も出てきません。
いつからこの国では退職金の事を年金と呼ぶようになったのでしょう。
 要するに、条文どおり国会議員の先生方の労に見合っただけの退職金を、制度化しておけば問題は無かったはずです。
ところが、昭和33年当時の岸信介政権、どのようにしてか退職金を年金にすり換えて、ちゃっかり「議員年金制度」導入しちゃったのですね。
 まあ、昔の事はともかく2005年現在、野党もマスコミも、そして国民からも誰一人「法律的におかしいぞ」とか「そもそも違法じゃないか」と言う声が聞こえてこないのは摩訶不思議な現象です。
なにかタブーでもあるんですかね。

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2005年10月17日 (月)

小泉首相靖国参拝に思う 05/10/17

 小泉首相が今日午前、靖国神社を参拝した。

 ニュース速報をはじめ、報道番組は午前中からどこもトップでこのことを報じていた。
とはいえ、年一回の参拝は首相の公約でもあり、年内には行くだろうと思っていたので、それほど大騒ぎすることではないと思うのだが。
 時期的にも、来月は外交日程が詰まっており、衆議院の解散総選挙も自民党の大勝利で終わり、何よりも首相の30年来の悲願であった「郵政民営化法案」が衆参両院で可決され一段落したところで参拝したと言う事でしょう。

 でも、ある意味今日で良かったですよ。
もしも昨日の午前中だったら、北京で行われていた「第3回総合政策対話」で中国側から何の説明もなく谷内事務次官がすっぽかされていましたから。
 日本のマスコミ各社が「首相の靖国参拝に中国側が機嫌を損ねた、一大事だ……」と大騒ぎしていたでしょうからね。その挙句中国側に日本のマスコミの報道を上手に外交カードとして利用される。なんて図式も考えられないでも無かったですから。
 それにしても、協議のために自国を訪れている外国の高官を何の説明もなくすっぽかすなんざ、宗主国が属国に対する態度ですね。どう贔屓目に見ても無礼極まる態度です。
 外交には粘り強さも忍耐も必要ですが、時にはブチ切れて席を蹴って帰ってくる(振りをする)ぐらいの芸当、見せてほしいものです。

 さて、その中国と言えば有人宇宙船「神舟6号」無事帰還しました。 神舟5号に続き2回連続の有人宇宙飛行の成功に得意の絶頂の彼の国は、今後軍事、ビジネスの両方から宇宙開発を推進して行くのだそうです。

 宇宙にまで快進撃を続ける中国。
 最早日本は属国扱いされながらODAを貢ぐ時期ではないでしょう。

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2005年10月12日 (水)

米国産牛肉輸入再開に思う 05/10/12

 食品安全委員会のプリオン専門調査会は「米国、カナダ産の20ヶ月以下の牛は、検査無しでも食肉への汚染の可能性は、非常に低い」とし、11月中にも正式な結論を出すことになった。これを受け、政府は輸入再開の手続きを進め、早ければ年内にも輸入を再開をできるようになる見通しだ。

 本当に安全なのか? と言うのが正直な感想であり、これを機にBSE問題についていろいろ調べて見たのだか、非常に不透明な部分が多く事の本質がなかなか見えてこない。
まあ、BSE自体がまだまだ不明な点が多いことも一因ではあるのだが……

 日本では現在全頭検査が行われているが、これについて国内でも疑問視する意見も多く、「検査の感度が低くすり抜けるBSE牛が結構ある」とする意見や、「そもそも全頭検査はBSEに対する国民のパニック的な牛肉離れを抑えるために、緊急避難的に導入された制度であった」とも言われている。
 更に米国産牛肉の輸入再開を求める外食産業が農林族議員らにこれまで数千万円規模の政治献金を行っていたことも新聞などで報道されている。
食の安全を守るための科学的であるべき制度に、政治的な配慮や業界団体の思惑が絡み、本当に安全だから輸入再開するのか、現在の制度で食の安全を守れるのか、不安が増すばかりである。

 ただ、現時点ではっきりしている点もいくつかある。
「生後12ヶ月以上の牛の頭部(脳,眼,扁桃,脊髄の一部)と背部(脊髄,脊椎骨とその周辺の神経筋)及びすべての年齢の牛の腸全体(十二指腸から直腸まで)と機械的に集められたくず肉」これらが特定危険部位である点で、その他の組織や臓器は安全部位であると言う点。
 また、検査以上に注意しなければならないのが、製品に加工する際に上記危険部位が他の組織を汚染させない方法で行われねばならないと言うことだ。全頭検査でも100%BSE牛を発見できない現状では特に重要なことである。
 この辺りの事を調べていると、なんと今年の8月米農務省がBSE対策である、特定危険部位の除去手続きをめぐり、04年1月から05年5月までに1036件の違反があったことを明らかにしていた。
 また「違反が分かった場合には是正措置を取らせている」としているが、違反に対する罰則規定が無い現状では、本当に是正措置が取られそれが継続されているのか疑問が残る。
当然日本の政府も関係省庁もこの事を承知の上での輸入再開であるので、政府は食の安全よりも外圧と業界団体の圧力に迎合したと見るべきではないだろうか。

 このまま行くと、第二のアスベスト問題に発展するのではないかと危惧される。
思えば、アスベスト被害についてもその昔、業界団体の安全アピールと代替製品が無いと言う理由から行政も放置し、現在になって被害者が多数出る事態になっている。
 原因物質を摂取してから長年経って発症する点、現段階で効果的な治療法が確立されていない点などBSE問題はアスベスト問題とも重なる点が多々ある。 

10年経ってスポンジ脳になった国民が多発して慌てる事態にだけはならないことを望むばかりである。

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2005年10月 1日 (土)

楽天の監督解任に思う 05/10/01

 今回はローカルな話題をひとつ。
楽天ゴールデンイーグルスの田尾監督が今季限りで解任されることになった。
後任は現シダックスの野村監督になるようだ。

  38勝、97敗、1引き分け

 結果だけ見れば、記録的なボロ負け状態だ。田尾監督の責任問題になるのは当然とも思われる。
しかし、他球団から見向きもされなかったような(失礼)選手ばかりをかき集めた急ごしらえのチームでのスタート、確か田尾監督自身今期の目標は「最下位にならないこと」と答えていたと記憶しているが、1年目のゴールデンイーグルスがよい成績を残せるはずがなかったのは誰の目にも明らかであったはずだ。
チーム造りの時間を含めての監督三年契約であったと、地元ファンも理解していたと思う。だから負けても負けてもシーズンいっぱい応援し続けたのではないだろうか。
その結果がパリーグ始まって以来の年間黒字経営に繋がったのだろう。

 球団代表は「より強いチームをつくるためには、避けて通れない道」と言っていたが、時間も選手も与えられない状態で、一体どれだけの結果を残せると考えていたのだろうか。実際あのチームでは、どんな名監督が指揮を執ったところでまともな結果は出せなかったと思う。
1年目は様子見、2年目はチーム力強化、3年目に始めて多少なりとも結果が出てくる。それぐらいの余裕を持って見守って行くべきではなかったか。

 思えば昨年、ライブドアが球団新設の名乗りを上げた際も、大方の地元ファンのライブドア歓迎ムードの中、突然横槍を入れたのが楽天であった。その際も他球団代表達の思惑が絡んだドロドロしたものを感じたのだが、どうも私には今回の監督交代劇も勝敗以外の裏の部分での妙な力学を感じられてならないのだ。

願わくば、地元ファンの気持ちを裏切らない球団運営を行ってもらいたいものである。

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